視覚障害者向けのブラインドボッチャ。一部の国では大会も開かれています。
イベントでブライドボッチャ用に作った道具を使う機会があり、良い点、改善点が見えました。
正確に聞きやすい音が、改善点・・・というか不明点です。
触覚でボールの位置が分かるボード
視覚障害者に、どうやってボールの配置を伝えるか?
以前、視覚障害者にボッチャを教える機会があり、ボールの配置を正確に伝えられない課題を感じていました。
その経緯もあり、ヨーロッパのブラインドボッチャを参考に、触覚でボールの配置を知るボードを作っていました。
ヨーロッパにある競技用の触覚ボードより、レクリエーション向けに特化した、安価なボードです。
一度実際に、視覚障害者に確認してもらっているので、実用レベルにはなっていると思います。
体験会で触覚ボードを使用
ボッチャ体験会で、この触覚ボードを使う機会に恵まれました。
もちろん、触覚ボードを知っている人はいないので、お客様も初見です。
初見の状態でどれだけスムーズに理解できるか?
ユニバーサルデザインの原則である「分かりやすさ」を検証します。
ボードの意味を即、理解できた
ボッチャがどんな競技か知っていることが前提となりますが、視覚障害者とその介助者にボードを渡し、「位置関係が・・・」と、私が中途半端な説明をしているだけで、お客様は理解していました。
当たり前のように、こちらの意図したように使っています。
デザインとしては、とても機能しています。
音で投球位置を伝えられる?
ボールの配置は、触覚ボードで伝えられました。
では、実際に投げる位置を、音で伝えられるでしょうか?
視覚障害者向けのスポーツは、鈴、拍手、掛け声などの音で、位置を伝えることが多いです。
今回は、拍手でボールの投球位置を伝えていたのですが、あまり正確に伝わっていない気がしました。
これは、健常者が目隠してテストした時も同じ問題があり、コントロールが定まりません。
音の出し方を変え、木のパドル(指示板)で床をたたいて音を出してみました。
こちらの方がまだ正確な投球になるような感じです。
ただ、投げる回数ごとに正確性は上がるので、音の影響がどこまであるかがよく分かりません。
ボールがどれだけ転がるか、イメージしにくくてコントロールが定まらない印象もあります。
だとしたら、ボールに穴開けて、鈴を入れたほうが理解できるはず。
ボールの転がる軌道を音で聞き取り、イメージできるようにしてみましょう。
週末にもう一度検証するので確かめます。
追記:よく聞く大切さ
検証のため、動画を撮っていました。見直すと、視覚障害の子供が「もう一回、もう一回」と言って、再挑戦したがっていました。
運営中、聞き取れず、また感じ取ることもできず、体験会で決めた事前ルール通りの投球回数で終わらせてしまいました。
成功体験がないまま、体験会が終わってしまったので・・・。
挑戦する意欲をシャットアウトしたことは、かなり大きな反省点です。