フォーム入力が楽だと見せかける

Yahoo! JAPAN IDを作ろうとしたとき、フォームの設計に少し驚きました。

シンプル設計

キャプチャ: Yahoo! JAPAN ID登録画面
2017年1月 Yahoo! JAPAN ID登録画面

ヘッダーはロゴとヘルプしかありません。
ページ左側も「Yahoo! JAPANへようこそ」と一言。クリックできないアイコンが並ぶだけです。

全体的に離脱につながるリンクは排除しています。

右側には小さめのフォームがあり、項目数も少なく簡単そうです。

フォーム項目を削ることは、EFO(エントリーフォーム最適化)で効果的です。

入力して気づく

フォームを入力していくと・・・

キャプチャ:Yahoo! JAPAN ID登録画面 入力中

あれ?

入力するほど、伸びる、伸びる。

「半角英数字・記号」などの入力説明や、パスワードの安全性チェックなど、フォームを入力しようとするたびに、情報が増えていきます。

さらに、補助的な入力説明だけではなく、重要な項目も3つ隠れていました。

Yahoo!メールアドレス

キャプチャ:メールアドレス項目

Yahoo! JAPAN IDを入力すると、「Yahoo!メールアドレス」の項目が表示されます。
(IDから自動でアドレスは生成されます。)

私もそうですが、「Yahoo!メールアドレス」を作りたかったわけではなく、他サービスを利用するためにIDを作っています。

Yahoo用の新規アドレスを、必要としないユーザーも多いと思いますので、この項目は隠しているのでしょう。

人間であることの認証

キャプチャ:人間認証項目

生年月日を入力しようとすると、さりげなく下に、人間であることを認証するための項目がでてきます。

機械では簡単に読み取れない、ゆがんだ文字を入力する項目です。

難読化しているので、やはり人間でも読みにくく、読み間違えによるエラーも発生しやすいです。なので、フォーム入力項目の中では、ストレスが大きい部類です。

しかもこの項目は、システム側の都合で、ユーザーメリットがなく・・・隠しているのでしょう。

利用規約やプライバシーポリシー

キャプチャ:利用規約、プライバシーポリシー

利用規約やプライバシーポリシーの説明も、生年月日を入力しようとすると、さりげなく下に出てきます。

88%のユーザーが読まないという利用規約や、その同意を促す文章は、企業側の防衛策であり、ユーザーメリットは感じにくく、これもストレスを与えやすい項目です。

ただし、プライバシーポリシーについては、Yahooのような大手に限り、隠すことができると思います。

あまり名も知れない企業であれば、入力の不安があるので、プライバシーポリシーを表示しておいた方が、安心感が高まります。

楽だと感じさせる工夫

入力するたびに、伸びて、伸びて、伸びまくるフォームですが、「先が見えない・・・」とは、感じませんでした。

先に、フォームの全体像が見えているおかげで、入力完了のゴールはイメージできていますし、項目が増えていくといっても、さりげなく少しずつなので、気づかないこともあります。

最終的にユーザーから取得する情報が同じでも、作り方次第で、ユーザーに楽だと感じさせることができるようです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)