Web制作でページの下部に、「< 前へ」「次へ >」といった、ページングナビゲーションを設置することがあります。多くの場合、古いページが「次」となります。
古いのに次?新しいのに前?
日常生活の感覚では、古い情報を「次」と言い、新しい情報を「前」と言うのは違和感があります。
しかし、Webサイトで時系列で並ぶコンテンツは、多くの場合、日付が降順に並んでいます。
代表的なものがブログで、新しい記事から古い記事の順番で並んでいます。「次へ」で進んでいくと、時間がさかのぼっていきます。
Web制作の現場でも意見が分かれていた
ページングナビゲーションについて、参考情報を探ります。
WebNAUT
ブログページの「前へ」「次へ」はどっちが新しい?あいまいワーディングの罠
ページングナビゲーションの文言や配置は、Web制作メンバーにアンケートを取っても、想像以上に意見が分かれることに驚きました。確かにワーディングは重要です。
時間に密接なコンテンツか?
User Experience(Stack Exchange)
Which direction indicates newer/older?
海外でもナビゲーションの新しい、古い問題が議論されています。
慣例では、「次」は「古い」と同等という回答が見られます。
また、そのサイトが時間に密接なコンテンツかどうかが判断基準になるという意見もあります。
時間に密接なコンテンツはなかなか思い当たりませんが、例えば天気サイトでしょうか。
天気サイトにおいて「次」は、1時間後や明日といった未来の意味になることが適切でしょう。
ブログの場合は、ユーザーにとって時間と密接なコンテンツとは言えない場合がほとんどで、慣例として「次」は過去の意味で良いと考えます。
「前のページ」と「次のページ」の方が適切
WebNAUTやUser Experienceの意見を参考にして考えると、ナビゲーションは例外(時間密接サイト)を除き、「前のページ」「次のページ」と記述するのが適切だと思います。
ほぼ無意識レベルの話ですが、「次へ」だけだと、人によっては時系列を意識することがあります。「ページ」を付けることで本をめくるような意識になり、時間が意識から離れます。
時間の意識を切り離すことができれば、「次」が古くても違和感はありません。
ちなみに、大手アメーバブログのナビゲーションが「前ページ」「次ページ」となっています。
日本語表現としては「前ページ」より「前のページ」の方が厳格かもしれませんが、1文字でも少ない方が認識にかかる時間が減ります。
日本語に厳しくないサイトでは「前ページ」「次ページ」で良いでしょう。
記事タイトルを入れた方がもっと適切
実装工数やCMSの有無にもよりますが、もし可能なら「次のページ」「前のページ」ではなく、次のページのタイトルと、前のページのタイトルを、ナビゲーションに入れたほうが良いでしょう。
次も前も、ユーザーにとって何か分からないため、具体的な情報の方が判断できます。
関連情報リンクの方が適切なことも
時系列があまり重要でないコンテンツがほとんどなので、次や前よりも、関連情報のリンクが並んでいた方が使いやすいとも考えられます。
定期的に新着情報を見に来るユーザーもいるため、ページングナビゲーションを完全に削除するのは得策とは言えませんが、見せ方としては、関連情報(リコメンド)よりページングの優先順位を下げて良いと思います。
もちろん実装工数と費用対効果も考える必要はありますが、ユーザーにとってページングがそこまで重要ではない可能性も考慮できればと思います。