ブラインドボッチャ実施で気づくこと

昨日、視覚障害者向けの「ブラインドボッチャ」を実施しました。

見えない状態で、ボッチャの状況を把握するにはどうすればよいか?

実際に試合形式で進めていると、多くの気づきがありました。

ブラインドボッチャのクラス分け

全盲の方、弱視の方、そしてそれぞれのアシスタント、計4名で対戦します。

プレイヤーはアイマスクを着用し、視力の条件を揃えます。

アイマスク着用については、陸上や水泳のように視力に応じたクラス分けをしては?という意見をいただきました。

確かに、陸上、水泳は視力に応じてクラスが3つくらいに分かれています。視覚障害者とひとまとめに言いますが、全盲、弱視は一緒ではないでしょう。

ただ、競技人口の差で、ブラインドボッチャでさらに視力によるクラス分けをすると、もはや選手も審判も集まらないので、難しいというのが現状です。

もし、陸上並みに人気スポーツになれば、細かいクラス分けもあり得るかもしれません。

コートサイズは事前に歩いて確認

レクリエーションのボッチャでは、会場の広さによってコートの大きさがまちまちです。

まずは、コートサイズを把握してもらう必要がありました。

「奥行3メートル、幅1.5メートル」と、口頭で伝えたのですが、イメージできるかは個人差があります。

そのため、介助者の誘導のもと、選手にコートの外周を歩いてもらい、大きさを把握してもらいました。

投球練習は入念に

通常の試合でも投球練習はありますが、とくにブラインドボッチャで初心者が体験する場合、ボールの転がりや方向を知るため、多めに投球練習をした方がよさそうです。

アシスタントが投球位置を知らせて、本当にその場所に選手が投げられるか?

何度か調整は必要になると思います。

投球位置の音出し

ボールの投球位置を教えるために、アシスタントが音を出します。

選手とアシスタントで相談した結果だと思いますが、音の伝え方が、赤チームと青チームで違っていました。

赤チームは、アシスタントが目標の後方で、拍手をしながら投球方向のみを音で伝えていました。

対して青チームは、ベルを使い、アシスタントが目標の前方で音を出しています。

青チームの方がより正確だとは思いますが、アシスタントに投球が当たったり、向かってくるボールを避けたとき、他のボールを動かしてしまうリスクはあります。

音の出し方の違いで、決定的な差は見られない場合、後方で拍手をする方が良さそうです。

ボールを動かして無効試合になる悲しみを避けられます。

ちなみに最終スコアは1点差で赤の勝ち(後方で拍手)でした。

触覚ボードで戦術を考える

ボールの配置は、触覚で伝えます。

ボッチャでは選手が戦術を考える上で、触覚ボードは重要です。

これがないと、音に向かってボールを投げるゲームになってしまいます。

触覚ボードを使うことで、たとえば「白い目標のボールに、ぴったり赤がくっつき、弾き飛ばさないと青が逆転できない」というような状況を、簡単に理解してもらえました。

ボールをはじいたり、押したり、飛び越えたり・・・そういった戦術の話までできたのは、ボッチャを体験するうえで非常に良いことでした。

二人三脚のプレイが面白い

プレイ中は、「ボールの中にビーコンを入れて、音を発信したほうが分かりやすい。」という話もいただきました。

技術的にも簡単に実装できます。

ただ、最終的に、「人同士が協力してプレイすることが楽しい」という結論に達しました。

確かにアシスタントと協力して、二人三脚でボッチャを攻略する姿が微笑ましかったです。

最後に余談ですが、コートの設営や片付けの際、アシスタントの二方が、何も言わずにさっと手助けしてくれました。

普段、周囲に目を光らせ、言語化しているからか、並外れた判断力を持っていました。

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