視覚障害者向けに考案されたブラインドボッチャについて、以前このブログで書きました。
見えない状態でボッチャの戦況を知るには、ボールの位置を把握する必要があるため、触覚で分かるものを試作しました。
ただ・・・うまくいきませんでした。
目隠ししてブラインドボッチャ
ブラインドボッチャでは、見えない状態でボールを投げます。
音の鳴る方へ投げますが、視覚障害者や目隠ししている人は、ボールの配置を自分で把握できません。
それではボッチャのだいご味である、ボールを押したり、はじいたりする戦術を自分で考えることが出来ません。
介助者がプレイしているようなものです。
自分でボール位置を把握できるように
グリッドにペグを挿し、触覚でボールの位置が分かる「Tactile Boccia Grid ※PDF」が海外で販売されています。
個人的な使用用途としては、いくつか要件に合わず、購入を見合わせていました。
- グリッドではなく無段階でペグを配置したい
- レクリエーションボッチャの方が多いのでグリッド(コート)サイズを自分で決めたい
価格は129,00 €(1万6千円)で、需要から考えると良心的です。ただ、日本発送できるかは不明です。
手に入れることもできそうですが、自分が欲しいものと少し違ったので、自作することにしました。
チェスの駒でボール位置を知る
ボッチャは戦術性の高さから「チェス」に例えられます。
本当にチェスの駒にしたものを作りました。
強力なネオジム磁石を駒に組み込み、鉄板にくっつけます。
ネオジム磁石を初めて使いますが、調べた感じでは相当強力そうで、はがせるか心配でした。
それで持ちやすいチェスの形状にした経緯もあります。
ボールの色により、形状を変えていて、上部を触ると区別できます。
形状はいくつか試作してみましたが、どれが分かりやすいかは、実際に視覚障害者に触ってもらった方が良いでしょう。
3Dプリンターを使っているので、大量の試作品を作れます。
初歩的な問題で失敗
磁石を使い慣れてないことにより、実用に問題がでてしまいました。
駒と駒が反発しあって近づかない、または、引きあってしまう。
磁石の極性、N・Sどちらを上にしたかで、押したり引いたり駒が勝手に動いてしまいます。
鉄板と磁石の引力が思ったより弱いのも失敗です。
触っているうちに、駒が動いたり、倒れたりします。
これでは使いものにならない・・・。
磁石はやめ、現在、マジックテープを使った背の低いものに作り直しています。