Yahoo! JAPAN IDを作ろうとしたとき、フォームの設計に少し驚きました。
シンプル設計
ヘッダーはロゴとヘルプしかありません。
ページ左側も「Yahoo! JAPANへようこそ」と一言。クリックできないアイコンが並ぶだけです。
全体的に離脱につながるリンクは排除しています。
右側には小さめのフォームがあり、項目数も少なく簡単そうです。
フォーム項目を削ることは、EFO(エントリーフォーム最適化)で効果的です。
入力して気づく
フォームを入力していくと・・・
あれ?
入力するほど、伸びる、伸びる。
「半角英数字・記号」などの入力説明や、パスワードの安全性チェックなど、フォームを入力しようとするたびに、情報が増えていきます。
さらに、補助的な入力説明だけではなく、重要な項目も3つ隠れていました。
Yahoo!メールアドレス
Yahoo! JAPAN IDを入力すると、「Yahoo!メールアドレス」の項目が表示されます。
(IDから自動でアドレスは生成されます。)
私もそうですが、「Yahoo!メールアドレス」を作りたかったわけではなく、他サービスを利用するためにIDを作っています。
Yahoo用の新規アドレスを、必要としないユーザーも多いと思いますので、この項目は隠しているのでしょう。
人間であることの認証
生年月日を入力しようとすると、さりげなく下に、人間であることを認証するための項目がでてきます。
機械では簡単に読み取れない、ゆがんだ文字を入力する項目です。
難読化しているので、やはり人間でも読みにくく、読み間違えによるエラーも発生しやすいです。なので、フォーム入力項目の中では、ストレスが大きい部類です。
しかもこの項目は、システム側の都合で、ユーザーメリットがなく・・・隠しているのでしょう。
利用規約やプライバシーポリシー
利用規約やプライバシーポリシーの説明も、生年月日を入力しようとすると、さりげなく下に出てきます。
88%のユーザーが読まないという利用規約や、その同意を促す文章は、企業側の防衛策であり、ユーザーメリットは感じにくく、これもストレスを与えやすい項目です。
ただし、プライバシーポリシーについては、Yahooのような大手に限り、隠すことができると思います。
あまり名も知れない企業であれば、入力の不安があるので、プライバシーポリシーを表示しておいた方が、安心感が高まります。
楽だと感じさせる工夫
入力するたびに、伸びて、伸びて、伸びまくるフォームですが、「先が見えない・・・」とは、感じませんでした。
先に、フォームの全体像が見えているおかげで、入力完了のゴールはイメージできていますし、項目が増えていくといっても、さりげなく少しずつなので、気づかないこともあります。
最終的にユーザーから取得する情報が同じでも、作り方次第で、ユーザーに楽だと感じさせることができるようです。