最近、画像認識技術の勉強をしています。画像認識とスマートグラス(メガネ)との相性は抜群で、個人的には言語や知識、障害の差を埋めるアクセシビリティ向上ツールとして可能性を感じています。
自分に必要な情報を、自分の知っている言語で、自分の状況に応じ、現実と重ねて見る。素晴らしい体験です。
私はスマートグラスの中で、もっとも現実と情報を重ね合わせて違和感がないと感じたEPSONの「MOVERIO BT-300」を所持しています。
AppleやFacebookがスマートグラスの開発に着手している噂が流れていますが、日本のEPSONに頑張ってもらいたい!
今回はこの「MOVERIO」について言及したいと思います。
「MOVERIO」の可能性
「MOVERIO」をかけて外を出回るには・・・まだ勇気がいります。
ファッションに溶け込むデザインではないので、現段階で一般普及は難しいでしょう。
ただ、スタジアムや博物館などの限定された空間で、お客さんの体験に付加価値を与えたり、補助したりする使われ方は有効です。
ちょっと導入単価が高いので、数十人限定のイベントで使用したり、もしくは、情報をより必要とする外国人、障害者の補助ツールとして常備する使い方になると思います。
最新の「BT-350」の方が、商用利用を想定した作りとなっています。
スポーツ観戦でのメリット
「MOVERIO」の利用場面は、いくつか思い当たりますが、試合から目が離せないスポーツ観戦は、相性が良いと思います。
アスキーに「スポーツ観戦をもっと楽しむ! スポーツ好きのための「MOVERIO」活用術」が掲載されており、興味深く読みました。
記事から引用します。
自分が視線を向けている方向にチームや選手の情報を表示できるため、スマートフォンのように、手元の画面に向いたりグランドに向いたりと視線の方向を変える必要がなく、試合に集中し続けられた
情報と生の試合を重ねて見られることが「MOVERIO」のメリットです。
スマートフォンを観戦に利用すると、視線の方向に加え、焦点距離が違いすぎ、手元の情報と同時に試合を見ることはできません。
そもそも生で観戦しているのに、手元を見ていると悲しくなります。
運動会で、ビデオカメラの小さい画面を通して子供の走りを見る・・・あの悲しい感覚に近いです。・・・生で見たい。
手元を見なくても情報を得られる観戦体験は、「MOVERIO」のようなスマートグラスにしかできない、大きな利点です。
ハンズフリーも魅力
両手がふさがらないことも、「MOVERIO」の大きなメリットだと思います。
情報を得ながら、拍手したり、飲食したり。
コントローラーをポケットに入れるか、首からぶら下げている状態であれば、ハンズフリーを実現できます。
さらに首や手のジェスチャー操作などで、コントローラーを持たなくても操作できるアプリがあれば、もっと快適になると思います。(そういUIの開発が必要です。)
ネットラジオの併用が最強
アスキーの記事では「NHKネットラジオ」の試合中継を聞きながら、「MOVERIO」で観戦する楽しみ方が紹介されています。
「MOVERIO」は高コントラストで、はっきり情報を見られるのが良いですが、反面、情報表示量を抑えないと、目が疲れます。
なので、聴覚を使うラジオとの組み合わせは最強です。
ゴールボールでミニFMラジオと映像を組み合わせた観戦を体験したことがあります。これが非常に分かりやすい。
AR(現実拡張)といった新しい視覚体験ができる「MOVERIO」ですが、視覚に詰め込まず、うまく音声に分散したほうが、より良い観戦を実現できると思います。
スマートグラス観戦の今後に期待
スポーツのデータ化が進み、得られる情報も増えています。
さらに、音声ガイドの自動生成や手話CGへの変換などの、スポーツ観戦のアクセシビリティ研究も進んでいます。
スマートグラスと掛け合わせることで、観戦環境が大きく改善されそうです。
アクセシビリティの話を先にしましたが、もちろん一般的な観戦の付加価値も、格段に上がるでしょう。
専用のアプリを開発し、運用体制を整えれば、得点や時間のような試合情報を、観客の目の前に表示させることもできますし、リプレイや別アングルの映像も映し出せます。
試合情報以外でも、例えばARで時速260kmのテニスのサーブを体感できたりすると、面白そうです。(見えないかも)
スマートグラスの商用利用研究で、一歩先を行く「MOVERIO」のおかげで、サービスの可能性が広がりました。
未来が楽しみです。